ここ1年ほど、僕の周りで「デザインをやってみたい」という方が増えています。
そしてその方々が僕に相談してくる内容として多いのが、
「IllustratorとPhotoshop、どっちを勉強すべき?」
というものです。
Adobe(アドビ)のデザインソフトであるIllustratorとPhotoshop、どちらも使ったことがない方にとって、確かにその違いは分かりにくいかも知れません。
IllustratorとPhotoshopは、カブっている機能も多い
前提として理解していただきたいのが、
「IllustratorとPhotoshopは、出来ることが全然違うわけではない」
ということです。
IllustratorもPhotoshopも今や30年ほどの歴史があり、確かに最初は(ざっくり言うと)「Photoshopは写真を扱うソフト」、「Illustratorは図形を描くソフト」だったわけですが、それぞれ進化の過程でだんだん機能が増えてきた結果、出来ることがかぶってきていることも事実。
なので同じものを作ろうとした時に「どちらのソフトでも作れる」ことはよくあります。
IllustratorとPhotoshop、それぞれが得意なことは?
「どっちでも出来るよ」って言われても迷うし困る…!と思われたあなた。
そんなあなたのために、IllustratorとPhotoshop、それぞれ
- どんなことが出来るのか
- どんなことが得意なのか
- どんな表現に向いているのか
を表にしてみました。
機能別、IllustratorとPhotoshopの得意・不得意
Illustrator | Photoshop | |
写真の配置 | ○ | ○ |
写真補正 | × | ◎ |
シンプルな写真の切り抜き | ○ | ◎ |
高度な写真合成 | × | ◎ |
写真に効果をつける | △ | ◎ |
文字の描画 | ○ | ○ |
文字の装飾 | ○ | ○ |
図形の描画 | ◎ | ○ |
高度な図形の編集 | ◎ | × |
アニメーション作成 | × | ○ |
○や◎の数の多さの違いはあまり気にしないでください(そもそも項目選びが完全にフェアとは言えないので)。
ポイントは「Photoshopは写真の補正や編集がめちゃくちゃ得意」、「Illustratorは図形の描画や編集がめちゃくちゃ得意」というところです。
目的別、IllustratorとPhotoshopの向き・不向き
Illustrator | Photoshop | |
ロゴ | ◎ | △ |
パンフレット/ポスター/チラシ | ○ | ○ |
WEB用バナー | ○ | ○ |
アナログ風イラスト | ○ | ◎ |
ベタ塗り、綺麗な線のイラスト | ◎ | ○ |
誌面デザイン | ○ | △ |
名刺 | ○ | ○ |
ページ物の資料 | ○ | △ |
合成写真、コラージュ | △ | ◎ |
どちらも「絶対にこれは作れない」というものはありませんが向き不向きはあります。作りたいものによってIllustratorにするのか、Photoshopにするのかを決めるのが良いと思います。
Behanceで実例を見るのがオススメ
「こういうグラフィックが作りたいんだけど、IllustratorとPhotoshopのどっちが向いてるのかが分からない」
という方は、Behanceのギャラリーを見てみることをオススメします。
Behance
https://www.behance.net/
Behanceは、Adobeが運営するクリエイターのポートフォリオSNSです。
世界中のクリエイターが自分の作品を公開し、見た人は作品にコメントや評価が出来るようになっています。
で、このBehanceが便利なのが「作品の、使用ツールによるフィルタリング検索」が出来るところです。
検索のところで「Illustrator」とか「Photoshop」などの条件を指定すると、そのツールを使用して作られた作品だけが出てくるのです(ツールの複数指定も可能です)。
もちろん検索からではなく別の色んなところから作品にたどり着いた場合も、作品ページの下の方の概要欄近くの「ツール」という欄で使ったソフトを見ることが出来ます(クリエイターが使ったソフトを明記している場合のみ)。
Behanceで例えば「Illustrator」で絞って作品検索をすれば、Illustratorで作ることの出来る作品のイメージがざっくり掴めてくると思います(「Illustrator」で絞って検索しても、IllustratorとPhotoshopを併用した作品なども出てくるので詳細の確認は必要ですが)。
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YouTube動画でも解説してみました
IllustratorとPhotoshopの違いについて、YouTubeでも説明してみました。
よろしければ記事と併せてご覧ください。